尾道市の民話・伝説(オオヒドシの足跡)・20

 今日はの、歯痛を治してもらうのに、ご利益のあるお地蔵さんの話をしようかのう。

 むかし、山波と高須町の境に室身谷(もろみだに)というところがあったんよ。
 低木が生い茂っての、とても寂しいところじゃった。
 その中に、3坪ほどの広さで、まったく草木も生えず、山肌の見えているところがあったんじゃ。
 そこは、むかし大男が海の向こうの伊予国から瀬戸内海をヒョイとまたいで来たとき、片方の足を置いたところだったそうな。
 大男の足が草木を折り曲げて踏み潰し、それからは草木も生えず山肌を見せていたんで「オオヒトドシの足跡」と言われていたんじゃそうな。
 そこにはいつのころからかお地蔵さんが祀られ、このお地蔵さまにお参りすると歯痛が治ると噂されるようになったんじゃ。
 この噂が広がり、方々から歯痛の子供が母親に手を引かれ、また大人もこの遠い山中にあるお地蔵さまにお参りするようになったんじゃ。
 線香をたてて祈りすると、帰り道には不思議に治ったということで有名じゃった。
 オオヒドシの足跡があった室身谷は、新高山団地の下に埋もれてしもうたが、お地蔵さんは山波艮神社のお大師さんに祀られているそうな。

 これで今日の「オオヒドシの足跡」の話はお終いにしようかのう。
 (参考~尾道民話伝説研究会発行“尾道の民話・伝説”より)
 

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