北条時頼の「倹約」の話

 前回は北条家を滅ぼした愚者の話をしたのだが、今回は「倹約」の話をしましょう。
 これは、第五代執権北条時頼のことなのだが、時頼が出家して最明入道といったころの話だ。
 『徒然草』に載っているのだが、ある夜更けに最明が酒を酌み交わす相手に陸奥守平宣時を呼びにやった。

 時頼は宣時がやってくると「肴は別に用意していないのだが、勝手に何かあるかもしれない。供の者も寝てしまったから、宣時殿みずから探して見られよ」と言ったという。

 宣時は小土器にのっていた味噌を見つけて戻り、「これがありました」と言ったというのだ。
 時頼は「それで十分だ」と快く酒を酌み交わしたというのだが、鎌倉時代の質素な生活ぶりを語るとき、よく紹介された話だという。

 後、江戸時代の文学者「西川如見」は、この話を引用しながら「感涙をもよおすばかりだ」と感想を述べている。

 現代人にとってはピンとこない話かもしれないのだが、当時の人たちにとっては「高家の人とは思えない質素振りだ」と心にジンときたのであろう。

画像

               建長寺所蔵の北条時頼像(江戸時代)

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