坂本龍馬の「亀山社中」は株式会社ではない

 現在NHK大河ドラマで「龍馬伝」なるものが放送され、坂本龍馬所縁の地域は「龍馬ブーム」で沸いているらしい。
 決して水を差すわけではないが、坂本龍馬が創り上げた「亀山社中」は日本最初の株式会社であったということはよく言われている。
 果たしてそうであろうか?

 今回は、神戸大学教授神木哲男氏の書から紹介することにしょう。
 まず、「亀山社中」が株式会社といわれているが、それを検討する前に、株式会社がどんな特徴をもっているかを見る必要がある。
  
株式会社の特徴は
 ① 株式の発行による資本の集中と利潤の配当
 ② 有限責任制
 ③ 出資と経営のの分離
 ④ 株式譲渡の自由
である。

 すなわち、株式を発行することにより資本を永続的に確保し、なおかつ、株主には利潤に応じた配当がある。
 損失や倒産などの場合の責任は出資額以内で負う。
 そして、その株式の譲渡は株主が自由にできる、ということである。

 ところで、「亀山社中」というのは、承知のように、坂本龍馬が元治元年(1864)薩摩藩などの援助を受けて作った組織で、海運や貿易に従事したものである。
 
 この意味では、龍馬を長として、貿易商社に近いかたちの活動をしていた結社だということはできる。
 しかし、株式も公開していないし、有限責任制でもないので、株式会社とはいえない。

 日本最初の株式会社だ、という説は、多分、「亀山社中」が現代の商社機能をもっていたことから会社であり、会社=株式会社だと誤解されたところにあるのではないかと思われる。

 なお、前述した四つの基本的特徴を備えた我が国最初の株式会社は「国立銀行」で、明治5年(1872)、国立銀行条例で、株式を公開し、その売買を認め株主総会や利益配当を行い有限責任制がとられた民間銀行なのである。

 このように、歴史上の事例を現代に投影する時は、その言葉の持つ定義をはっきりさせることが必要である。

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